Contents
進化している100均の化粧品たち
最近は100均でもスキンケアやメイクコーナーが充実してきて、いろいろな化粧品が売られていますよね。僕もいろいろ試している最中ですが、100均でも十分なんじゃないかと思う時があります。ラインナップも豊富で化粧水、乳液、ハンドクリーム、ボディクリーム、ヘアオイル、ファンデーションなど様々であり、100均でも一通りそろいます。その中で今回はハンドクリームを調査してみます。
先に結論を。
結論
高い商品には不当に高いという可能性もありますが、安い商品にはそれなりの理由があります。
値段 | 販売元 | パッケージ表記 | 内容量 | |
左 | 110円 | ダイソー様 | アロエハンドクリーム | 80g |
右 | 500円くらい | ロート製薬様 | 濃厚こってりクリーム | 70g |
使用感については、100円は「軽くてふにゃ」という感じで500円は「重くてしっかり」という感じです。
ハンドクリームの配合成分の比較
比較すると言っても機械で分析などは今のところできないので、パッケージに記載されている成分について比較してみます。それぞれの全成分が次の表になります。
成分 | 全成分数 | |
100円 | 水、セタノール、ステアリン酸、ステアリン酸グリセリル、グリセリン、TEA、ミネラルオイル、ミツロウ、パルミチン酸セチル、オクチルドデカノール、スクワラン、ミンク油、ジメチコン、トコフェロール、アロエベラ葉エキス、ヒアルロン酸Na、香料、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、青1、黄4、BG、エタノール | 24 |
500円 | 水、パラフィン、グリセリン、BG、ミネラルオイル、ワセリン、パルミチン酸エチルヘキシル、セタノール、ステアリルアルコール、シアバター、カカオバター、水添レシチン、トリ脂肪酸グリセリル、ジメチコン、プロピルパラベン、メチルパラベン、カルボマー、TEA、クロスポリマー、EDTA-2Na | 20 |
※一部簡略表記にしています。
黄色の下線をひいているものが保湿成分になります。全成分の数は100円の方が多いですね。内容量も100円の方が多かったので、ぱっと見では100円の方がオトクな気がしますよね。
商品の一押しポイントであるキャッチコピーは次の表です。
キャッチコピー | |
100円 | 植物保湿成分アロエエキス、ヒアルロン酸、スクワランを配合 |
500円 | ダブルのバター成分を配合 |
ハンドクリームの各成分の性質について
さて、各成分の性質について化学的に調査していきます。僕は化学が好きなので楽しいですが、興味のない方は次のコラムへお願い致します。本当は構造式ものせたかったのですが、やめておきました(笑)
保湿成分は、「モイスチャー」と「エモリント」という2つの表現に分けております。
※モイスチャー・・・水を取り込むことで保湿する。
※エモリント・・・皮膚上に膜をはり水分蒸発を防ぐことで保湿する。
化学構造 | 性質 | |
グリセリン | アルコール | モイスチャー、感触調整 |
BG(ブチレングリコール) | アルコール | モイスチャー、防腐 |
パラフィン | 炭化水素(石油由来) | 硬さ調整 |
スクワラン | 炭化水素 | エモリント、感触調整 |
ヒアルロン酸Na | ムコ多糖類ナトリウム塩 | モイスチャー |
セタノール、オクチルドデカノール、ステアリルアルコール | 高級アルコール | 硬さ調整、乳化安定 |
ステアリン酸 | 高級脂肪酸 | アルカリ性成分(TEA)と反応 |
ステアリン酸グリセリル | 高級脂肪酸エステル | 非イオン界面活性剤、乳化 |
トリ脂肪酸グリセリル | エステル | エモリント |
パルミチン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル | エステル | 粘度調整、エモリント |
TEA(トリエチルアミン) | アミン(アルカリ性成分) | 高級脂肪酸やカルボマーと反応 |
水添レシチン | リン脂質 | 両性界面活性剤 |
ミネラルオイル、ワセリン | 炭化水素(石油由来) | エモリント |
ミツロウ | 複数成分(ミツバチの巣由来) | 感触調整 |
ジメチコン | シリコーン | 撥水、揮発 |
トコフェロール | 脂溶性ビタミン(=ビタミンE) | 酸化防止 |
メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン | パラオキシ安息香酸エステル | 防腐 |
カルボマー、クロスポリマー(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマー) | 水溶性高分子 | 増粘(TEAと反応) |
EDTA-2Na | ジアミン誘導体 | 品質劣化防止 |
青1、黄4 | タール色素 | 合成着色料 |
聞いたことあるようなものから、わけのわからないものまでたくさんありますね。このような成分を工夫して組み合わせることでハンドクリームが成り立っているのですね。
ハンドクリームの成分から考察
化粧品の成分表示にはルールがあります。全成分表示のルールについて参考はコチラ
そのルールの一つに、「全成分を配合量の多い順に記載する」というものがあります。なので、成分の記載順番を見ると、各成分がどのような構成で成り立っているのかある程度分かります。ただし、それぞれの成分が何%であるかまでは記載されていないので、正直なところコストパフォーマンスなどは分からないということになってきます。
それぞれの上位の成分を見てみると、100円では形状を整える成分が集中していて、500円では保湿成分が集中しています。この時点で、500円の方が「保湿能力が高い!」となります。当たり前の結果で申し訳ありませんが、各成分の裏付けが取れたということでお許しください。
ココがポイント
保湿成分の配合量に違いがある!
おそらく保湿成分は原価が高いのでしょう。このあたりについては今後調査していきます。
さて、一つ気になっているのが100円の方に青1と黄4の合成着色料が使われていることです。これらは食品にも広く使われていて危険性が低いとされている合成着色料ですが、「使う必要があるのか?」ということです。おそらく青と黄を混ぜて、アロエの緑を演出しているのでしょう。化粧品は見栄えも重要ですので、色の演出も重要ですが、僕としてはハンドクリームに色はいらないのではないかと思っています。パッケージが透明でないので中身は見えませんし、肌になじませると色は見えなくなります。危険性が低いとはいえ、合成着色料はイメージが良くないので僕は長期使用は避けたいです。
100均とドラッグストアのハンドクリームを比較まとめ
100円が100円である理由は、「保湿成分が少ない」というところにあります。少ないけれど保湿成分が配合されているのは確かですし、使った感じも特に不満はありません。乾燥が軽度の方、旅先などの短期使用、緊急用などには100円のものがオススメですね。僕は乾燥が強くて一年中ハンドクリームを使いますので、優秀な商品をまだまだ探していこうと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。
結論