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髪の毛はイケメンの始まり
イケメンの要素の一つ、「髪の毛」。髪の毛を伸ばしたり短くしたり、カラーをいれたり、パーマをしたりといろいろな方法でイケメンを目指すことができます。しかしながら、どれも髪の毛が存在してこその話です。髪の毛がなくなってしまうと、発毛や植毛や増毛といった治療を考えなければなりません。できれば自分の髪の毛と長く付き合っていきたいですよね。そこで今回は「育毛」というテーマに注目してお話をしていきたいと思います。
育毛剤はとてもたくさんの種類があり、値段も様々です。その中から自分に合ったものを見つけ出すのは簡単ではないですし、僕もまだまだ模索中です。自分に合ったものを長期的に使用することで、少しでも髪の毛の寿命を延ばすことが重要だと考えています。ですので、「高級な物を1回試してみた」というだけでは劇的な変化はないでしょう。値段が高くて続けられないのであれば意味はないです。今回は比較的安価で続けやすく、メジャーな商品「サクセス」を分析していきたいと思います。
薬用育毛トニック「サクセス」とはどういうものか
今回は花王株式会社様(以下、花王)の「サクセス」を分析していきます。正式な商品名は「サクセス薬用育毛トニック」です。サクセスはテレビCMでも宣伝され、ドラッグストアでも必ずと言っていいほど置いてあるので、認知度は高いのではないでしょうか。育毛商品の中では比較的安価に手に入るものです。ガス噴射式で、頭皮にダイレクトにスプレーしてもみこみます。朝と夜の2回の使用がオススメされていて、清潔な頭皮に使うとより効果的です。
サクセスに配合されている成分を調査
サクセスに配合されている成分を分析していくことで、育毛剤の選び方のヒントを探していきます。サクセスは有名であり、育毛剤の中でも値段がリーズナブルで続けやすいので、選択肢として考える方が多いのではないでしょうか。しかしながら重要なのはその成分です。僕が実際に使用したサクセス薬用育毛トニック(以下、ベーシック)とサクセス薬用育毛トニックボリュームケア(以下、ボリュームケア)を比較して成分を確認していきます。なお、使用感に関しては全く同じでした。

サクセス薬用育毛トニック

サクセス薬用育毛トニックボリュームケア
ベーシック | ボリュームケア | 効果 | |
参考価格 | 896円 | 1,194円 | - |
t-フラバノン | 〇 | 〇 | 育毛有効成分 |
ニコチン酸アミド | 〇 | 〇 | 血行促進 |
ピロクトン オラミン | 〇 | 〇 | 殺菌作用 |
エタノール、水、その他 | 〇 | 〇 | その他の成分 |
ヒドロキシプロピルメチルセルロース | 〇 | - | 粘り気を出す |
N-PEMS共重合体液(30%) | N-PEMS共重合体 | 毛髪保護 |
結論としては、配合成分はほとんど同じでした。違いは以下の3点です。
- 価格(差額300円程度)
- ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、ベーシックでは配合されていますがボリュームケアでは配合されていません。
- N-PEMS(N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン)共重合体が、ボリュームケアではそのまま配合されているのに対してベーシックでは30%にうすめられて配合されています。
有効成分は、t-フラバノン、ニコチン酸アミド、ピロクトン オラミンの3つです。有効成分とは、「医薬品医療機器等法」という法律で承認を受けている成分です。逆に言うと、その他の成分は育毛に関する効果を承認されていないということです。
ポイント
自分の目的に対する有効成分が配合されているかが重要です。
サクセスに含まれる各成分の効果は何か
t-フラバノン
t-フラバノン(トランス-3,4'-ジメチル-3-ヒドロキシフラバノン)は花王が独自に開発した育毛の有効成分です。その効果は以下のように説明されています。
毛根に存在するTGF-β(脱毛指令因子)が、髪に「成長をやめて、もう抜けなさい」と指令を出すことが、まだ育つはずの髪が抜けてしまう原因のひとつと言われています。 花王独自開発の有効成分「t-フラバノン*」は、この脱毛指令を抑制することで抜け毛を防ぎます。
一方で、日本皮膚科学会ではt-フラバノンに対して「有効性を示す弱い根拠が存在する」「外用を行ってもよい」というような判断をしています。
要するに、t-フラバノンは育毛に対する効果はあるものの、その効果は弱いということが分かります。
ニコチン酸アミド
ニコチン酸アミドは、サクセスにおいて「血行促進し、毛根に血液中の栄養を届け、抜け毛を防ぐ」効果がある有効成分です。また、消炎作用もあるので頭皮環境の改善にもつながります。ニコチン酸アミドは別名ナイアシンアミドとも呼ばれ、肌荒れ改善、美白、抗シワの効果があり化粧品にも使用されています。
ポイント
頭皮マッサージを行うとより効果的です。
ピロクトン オラミン
ピロクトン オラミンは細菌や真菌に対して殺菌作用を持つ化合物です。サクセスにおいては「殺菌作用でフケ・かゆみを防ぐ」とされている有効成分です。フケやかゆみを改善して頭皮を正常な状態に近づけることで、髪の毛が育ちやすい環境を作るという間接的な効果と言えます。
フケには大きく分けて2種類あります。パラパラしている乾性フケとベトベトしている脂性フケです。頭皮が乾燥しているか脂っぽいかの違いですが、脂性フケに関しては、頭皮に存在している菌が皮脂を分解して頭皮のターンオーバーを早めることでフケが増えます。
ピロクトン オラミンは殺菌によるフケ防止ですので、脂性フケに対して効果があると言えます。逆に、乾燥フケに対しては効果が弱くむしろ乾燥が進行して頭皮環境が悪化する可能性があります。
注意ポイント
フケ対策については、原因を知ることが重要です。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
ヒドロキシプロピルメチルセルロースは有効成分ではなく、その他の成分であり、サクセスにおいてベーシックには配合されていてボリュームケアには配合されていないという違いがあります。この成分のイメージは「のり」です。何かを結合したり、粘り気を出したりします。サクセスでは、塗布した時の液だれを抑制するために配合していると考えられます。ヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合の有無は次のN-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体に関係がありそうです。
N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体
毛髪の根元に吸着しクッションの役目をして毛髪を根元から立ち上げる効果があります。その結果、しなやかでボリュームのある毛髪に育つとされています。髪の毛が生える、抜けるということに関しては直接的には関係なさそうです。「重合体」というものは粘り気を持っています。N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体に十分な粘り気があるので、ボリュームケアにはヒドロキシプロピルメチルセルロースが配合されていないのだと考えられます。
サクセスで悩んだ場合どちらを選ぶか
さて、結局のところどちらを選ぶべきでしょうか。なんとなく価格が高い方が効果がありそうな気がしますが、成分を比較したところ、育毛に関しては差がなく、ベーシックで十分だと思います。300円程度の違いですが、長く続けていくことになりますので安価の方がオススメです。
極端に髪の毛がぺったんこで、育毛と同時に髪の毛を立たせたいという方のみボリュームケアを選ぶのが良いかと思います。
ポイント
育毛だけならベーシックで十分です。
育毛剤サクセスの検証まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はサクセスがどう違うのかに注目して育毛について調査してみました。各成分の説明もしておりますので、他の商品を選ぶ際も参考になるかと思います。もっと説明して欲しい、もっと分かりやすくしてほしい、この商品を調査して欲しいなどがあればコメントしていただけると幸いです。随時対応させていただきます。最後までお読みいただきありがとうございました。